EC物流代行サービスとは?委託内容とおすすめ事業者5選を紹介

最終更新日:2025/03/18
公開日:2025/03/18
目次

EC事業の成長にともない、発送業務の負担や保管スペースの不足に悩む事業者もいるでしょう。EC物流代行サービスを活用すれば、自社で物流業務を管理するより、効率的な運営が可能です。

また、導入にあたり、費用相場や選び方のポイントを理解しておくと、自社のニーズに合った事業者を選びやすくなります。

本記事では、EC物流代行に委託できる主な業務と費用相場、おすすめの事業者5選を紹介します。さらに、利用する7つのメリットや注意点についても詳しく解説しますので、比較ポイントを押えて、最適なサービスを検討しましょう。

EC物流代行サービスとは?

EC物流代行サービスとは、オンラインショップで商品を販売する際に、商品の保管から発送までの物流業務を外部の専門事業者に委託できるサービスです。EC物流の業務には、入荷検品から在庫管理、流通加工、発送業務などさまざまな工程が含まれます。

これらの物流業務を外部に委託することで、自社で物流業務を担う必要がなくなり、経営資源をコア業務に集中できるほか、物流コストの削減にもつながります。

EC物流代行サービスで委託できる主な業務内容

EC物流代行サービスで委託できる主な業務内容を解説します。

  • 受注管理
  • 入庫・検品
  • 在庫管理
  • ピッキング
  • 流通加工
  • 出荷業務
  • 返品対応

受注管理

顧客から注文を受け付けて、受注管理システムに入力します。決済処理を行った後、発送準備を進めます。

入庫・検品

倉庫に届いた商品をトラックから降ろし、数量や商品の状態を確認して決められた場所に保管します。商品を誤った場所に入庫すると、誤発送や出荷遅延の原因となり、顧客の信頼を失うリスクがあるため、精度の高い管理が求められます。

在庫管理

在庫の状況を把握し、必要に応じて補充や発注を行います。多くの発送代行事業者では、在庫管理システムや倉庫管理システム(WMS)を導入しており、リアルタイムで在庫状況の確認が可能です。

ピッキング

ピッキングは、顧客からの注文に基づいて倉庫内から商品を選び出し、倉庫内から集める作業です。近年では、ヒューマンエラーや重い荷物に対応するため、自動で商品の搬送を行う「ピッキングロボット」を導入したEC物流代行サービスもあります。

流通加工

流通加工とは、商品にさまざまな加工をして付加価値を高める作業を指します。具体的には、以下のような作業があります。

  • 梱包・包装
  • ラベル貼り
  • 詰め合わせ
  • 組み立て
  • パンフレットやチラシの封入

EC物流では、消費者の多様なニーズに対応するため、ギフト用のラッピングや複数商品の詰め合わせ、組み立て作業が発生します。また、キャンペーン用のチラシを同梱することで、リピート率の向上につながります。

出荷業務

梱包が完了した商品は、出荷業務に進みます。多くのEC物流代行事業者では、ヤマト運輸や佐川急便、日本郵便など複数の配送事業者と提携しており、自社のニーズに応じて最適な業者を選べるため、コストを抑えることも可能です。

返品対応

顧客から返品の依頼があった場合は、返品の対応を行います。返品された商品を受け取り、再販可能かどうかを確認します。

EC物流代行の委託方法は大きく分けて3PLとフルフィルメントの2種類

EC物流代行の委託方法は、大きく分けて以下の2種類に分けられます。

  • 3PL
  • フルフィルメント

それぞれの特徴や違いについて詳しく解説します。

物流業務に特化した「3PL」

3PLとは、サード・パーティ・ロジスティクスの略称で、第三者の専門事業者に物流業務を委託する形態を指します。3PLが担う業務には、主に輸送管理業務、倉庫運営、在宅管理などの物流関連業務が含まれます。

3PLでは、EC物流を専門業者に委託できるため、自社で管理するよりもスピードや効率が向上し、物流業務のスムーズな運営が実現できるでしょう。

EC全般を支援する「フルフィルメント」

フルフィルメントとは物流業務だけでなく、受注管理や決済処理、アフターサービスなどEC全般を包括的に委託するサービスです。返品処理や顧客対応までの工程を委託できるため、顧客満足度の向上が期待できます。

3PLとフルフィルメントの違いは、外注する業務範囲です。3PLは物流業務に特化した委託サービスで、コスト削減や柔軟性が強みです。一方、フルフィルメントは受注から配送、顧客対応までの一連の業務を委託できるため、顧客満足度を重視した対応が可能です。

3PLは、自社の成長にともない、在庫管理や配送業務が増加した事業者に適しています。一方、フルフィルメントサービスは、顧客対応まで任せられるため、顧客サービスの向上を重視する事業者におすすめです。

EC物流の委託費用は「固定費」と「変動費」がある

EC物流代行サービスは、業務内容によって「固定費」または「変動費」に分類されます。2つを合わせた金額が毎月の物流運営費用となるため、仕組みを理解しておくとコスト管理がしやすくなります。

固定費に分類される業務

EC物流代行サービスにおける固定費は、出荷料や業務量に関わらず発生する費用です。固定費に分類される主な業務は以下のとおりです。

倉庫保管料倉庫内の保管スペースにかかる費用
※1坪あたりの料金が設定されることが一般的です。
システム利用料倉庫管理システム(WMS)の利用にかかる費用
業務管理料商品の管理にかかる費用

倉庫保管料は、土地の価格によって影響を受けやすく、土地代が高い地域では保管料が高くなります。一方で、土地代が安価な地域では保管料が低くなる傾向です。

しかし、遠隔地など土地代が安いエリアでは、配送距離が長くなり、商品到着までのリードタイムが延びる可能性があるため、注意が必要です。

変動費に分類される業務

EC物流代行サービスにおける変動費とは、取り扱う商品の量に応じて変動する費用のことで、「従量課金制」とも呼ばれています。変動費に該当する業務には次のようなものがあります。

倉庫保管料倉庫保管料の料金形態・個建て・パレット建て・容積建て・重量建ての料金形態
デバンニング料コンテナから荷下ろしする際にかかる費用
入庫料商品を所定の場所に入庫するための費用
検品料入庫時の検品作業にかかる費用
出荷料(ピッキング料)保管商品を所定の場所から取り出す際の費用
梱包料段ボールなどの資材に梱包する際の費用
流通加工料値札付け・ラッピング・チラシ同梱などの加工費用
配送料商品を輸送する際にかかる費用

変動費は、荷物を預ける数量や倉庫の使用頻度が増えるとそれにともない、金額も増加します。そのため、自社の運営状況や委託する業務内容を把握したうえで、費用を検討する必要があります。

EC物流代行サービスの費用相場

ここでは、EC物流代行サービスの費用相場を固定費と変動費にわけて解説します。

【固定費の費用相場】

固定費の種類費用の相場
倉庫保管料3,000円~10,000円/月
※坪単価の場合
システム利用料10,000円~50,000円/月
業務管理料10,000円~50,000円/月

【変動費の費用相場】

変動費の種類費用相場
倉庫保管料1パレット:3,000円~/月
段ボール:500円~/月
デバンニング料20,000円~50,000円/月
入庫料10円~100円/個
検品料10円~100円/個
出荷料(ピッキング料)10円~30円/個
梱包料10円~300円/個
流通加工料10円~/個
配送料400円~1,200円

倉庫保管費用は、パレットやラックなど保管方法によって異なります。また、立地条件や冷凍・冷蔵設備の有無など、取り扱う商品によって追加費用が発生することもあります。

近年では、EC物流の市場拡大により、小ロットや1点から対応可能なEC物流代行サービスも増えている傾向です。そのため、自社ECサイトでの取扱量や商品の特性に合った事業者を選ぶことが重要です。

おすすめのEC物流代行サービス5選

ここでは、おすすめのEC物流代行サービス5選をご紹介します。

ギークプラス:自動搬送ロボットの活用で売上機会の損失を回避

(出典:ギークプラス

ギークプラスでは、自動化製品を活用したEC物流委託サービス(フルフィルメント事業)を展開しています。倉庫には自社開発のピッキングロボットをはじめ、棚入れ、仕分け作業にも自動化機器を導入しています。

これにより、人的ミスを削減するとともに、EC物流特有のSKUの多さや、キャンペーンなどによる波動にもしっかり対応し、リードタイムの短縮や誤出荷の防止を実現できます。

また、ロボット導入により人件費を削減できるため、委託費用もその分安価に利用することが可能です。利用分に応じた従量課金制も採用しているため、コストを抑えつつも高品質なEC物流の委託を考えている企業におすすめのサービスです。

【ギークプラスがおすすめのEC事業者】

  • 事業成長に伴い物量が増え、コア業務に集中できない
  • 物流がさらなる事業拡大の足かせになってしまっている
  • コストを抑えつつも、高品質なEC物流を委託したい

【企業情報】

企業名株式会社ギークプラス
住所東京都渋谷区恵比寿4丁目20番3号 恵比寿ガーデンプレイスタワー26F
電話番号03-5422-1420
URLhttps://www.geekplus.jp/service/fulfillment/
費用※従量課金制詳細は要問い合わせ

スクロール360:おもてなし物流でお客様の心に届くサービス

(出典:スクロール360

スクロール360(サンロクマル)は、750社以上の企業支援実績を持つEC物流代行サービスです。商品を開ける瞬間まで細やかな配慮を行う「おもてなし物流」で、顧客満足度を高めるサービスを提供しています。

特に流通加工作業に強みがあり、物流センター内で撮影、採寸するささげサービスや、アパレル専用のカット加工のほか、ギフトラッピング、メッセージカードの同梱など細かなニーズに対応したサービスが特徴です。フルフィルメント業務に対応しており、1件から導入できる「ライトプラン」もあるので、これからEC物流を始めたい方に選ばれています。

【スクロール360がおすすめの事業者】

  • 自社運用に限界を感じる
  • 人件費・配送費など少しでもコスト削減をしたい
  • 具体的に何から始めていいのか分からない

【企業情報】

企業名株式会社スクロール360
住所静岡県浜松市中央区佐藤2丁目24番1号
電話番号03-4326-3207
URLhttps://www.scroll360.jp/
費用ライトプラン(1件~/月)
カスタマイズプラン(1,000件~/月)
※詳細は要問い合わせ

エスプールロジスティクス:小ロットから大規模出荷まで柔軟に対応

エスプールロジスティクスは、柔軟な対応力を強みとするEC物流代行サービスです。ギフトラッピングや特殊梱包、アパレル向けの裾上げ、スチームアイロンがけ、名入れ加工など顧客満足度を高める流通加工を得意としています。

1センターを複数の事業者が利用できる仕組みなので、倉庫スペースの拡充も可能です。小ロットから大規模出荷まで対応できるため、事業拡大にともなう倉庫移転の手間を省ける点もメリットです。

【エスプールロジスティクスがおすすめの事業者】

  • 急な注文数増に対応できるサービスを探している
  • バックヤード業務はプロに任せて他の業務に集中したい
  • リアルタイムの在庫管理や同梱設定をきめ細かく行いたい

【企業情報】

企業名株式会社エスプールロジスティクス
住所東京都千代田区外神田1-18-13 秋葉原ダイビル6階
電話番号03-6859-6565
URLhttps://www.spool.co.jp/service/logi/
費用※詳細は要問い合わせ

富士ロジテック:商品特性に応じた保管環境を完備

(出典:富士ロジテック

富士ロジテックは、EC物流の効率化を支援するフルフィルメントサービスを提供しています。常温倉庫だけでなく、定温、冷蔵、冷凍倉庫など、商品の特性に合わせた保管環境を完備しています。

そのため、化粧品、アパレル、家電・家具、食品などさまざまな商品の対応が可能です。キャンペーンや繁忙期による需要の急増にも臨機応変に対応できるため、ニーズに合わせて利用できます。

【富士ロジテックがおすすめの事業者】

  • 既存の物流効率が悪く効率を上げたい
  • EC物流に興味があるが導入の仕方がわからない
  • 設備が整ったしっかりした施設で管理したい

【企業情報】

企業名株式会社富士ロジテックホールディングス
住所東京都千代田区丸の内3-4-1 新国際ビル8F
電話番号03-5208-1001
URLhttps://fujilogi.net/pages/ec_butsuryu
費用倉庫保管料:3,300円~(税込み)/1パレット(月額)
※詳細は要問い合わせ

メイクショップロジ:ショップ経営の見える化が実現できる

メイクショップロジは、入荷から在庫管理、出荷までを一元化できるフルフィルメントサービスを提供しています。バックヤード業務を丸ごとアウトソーシングできるため、商品の出荷数や不良品も可視化され、ショップ経営の「見える化」が実現します。

温度管理可能な倉庫では、常温・定温・冷蔵・冷凍の4つの温度帯管理が可能です。また、ブランドイメージや商品の特性に応じた専門の梱包資材を提供し、統一感のある丁寧な梱包で、顧客満足度の向上につなげています。

【メイクショップロジがおすすめの事業者】

  • 初期費用や月額基本料を抑えたい
  • 毎日の受注業務をシステム化して必要な業務に集中したい
  • 閑散期の無駄な固定費をカットしたい

【企業情報】

企業名GMOメイクショップ株式会社
住所東京都渋谷区桜丘町26-1 セルリアンタワー
電話番号03-5728-6227
URLhttps://www.fulloutsourcing.jp/logistics/
費用ライトプラン(初期費用・月額費用なし)
カスタマイズプランフルフィルメントプラン月額費用:110,000円(税込み)
※詳細は要問い合わせ

EC物流代行サービスを利用する5つのメリット

EC物流代行サービスを利用することで、さまざまなメリットが得られます。ここでは5つのメリットを詳しく解説します。

1.物流業務全般の業務の負担を削減し、売上に直結する業務に集中できる

EC物流ではSKUが多く、またオムニチャネルの導入により商品の多様化が進むことで、物流業務が一層複雑化しています。

例えばピッキング業務では、人によって正確性やスピードにばらつきが生じます。在庫管理では「どこに在庫があるのか分からない」「在庫数が合わない」といった問題が発生しやすくなり、従業員の業務負担や人員確保の課題が生じやすくなります。

また、顧客満足度を高めるためには、丁寧な梱包や迅速な返品対応など、細やかなケアが欠かせません。

EC事業が成長し、受注管理や梱包、発送作業などの物流業務に多くの時間を割かれてしまうと、優先すべき重要な業務に専念できません。特に、EC業界はトレンドによる変化の速い市場なので、競合他社が多いなかで販売促進や新商品の企画、マーケティング施策を進める必要があります。

そこで、例えば受注管理から顧客対応まで行うEC全般を委託できるフルフィルメントサービスを活用すれば、足元の業務にリソースを割く必要がなくなり、より売上に直結する業務に集中できる体制を作れるのです。

これにより、売上アップが期待できるほか、顧客対応にも十分時間をかけられるため、顧客満足度の向上、ひいてはLTVの向上などにもつながるでしょう。

2.人的ミスを防ぎ、顧客満足度の低下を防げる

多様なサイズや色展開があるSKUの多い商品を扱う事業者は、商品を誤ってピッキングしてしまうことがあります。このような人的ミスが生じると、リピーターの減少やクレームの増加、さらには売上の低下につながる恐れもあります。

EC物流代行事業者の中には、商品を正確にピッキングできる自動棚搬送ロボットを導入し、効率化を図る倉庫も増えています。このような事業者に委託することで、手作業によるミスや情報の誤入力が大幅に減少し、顧客満足度の低下を防ぐことができるでしょう。

3.季節変動や需要の変化にも柔軟に対応できる

EC物流では季節変動やキャンペーンの実施、さらにSNSで注目されることで、一時的に大量の在庫確保や出荷対応が必要になることもあります。そのため、自社でEC物流を運営する場合、商品を保管するためのスペースや人員確保が必要です。

しかし、このような状況で一時的な人員を増加すると、梱包や発送ミスなどのトラブルが起こりやすくなります。そもそも一時的な人員確保自体が困難なケースも多いでしょう。

その点、EC物流代行サービスなら、急な需要増にも柔軟に対応できるのがメリットです。従量課金制のサービスを活用すれば、需要の少ない時期もコスト管理がしやすくなるでしょう。

4.リードタイムが短縮され迅速なサービスを提供できる

EC通販におけるリードタイムとは、商品の注文が発生してから、実際に届けられるまでの時間のことを指します。リードタイムの短縮は、EC運営の信頼感を保つためにも重要なポイントです。

顧客は同じ価格の商品であれば、商品をより早く届けられるサイト/ブランドを選ぶ傾向があります。迅速に商品が届けられれば、リピート購入の促進や新規顧客獲得にもつながるでしょう。

5.物流コストの削減につながる

自社で物流業務を行う場合、倉庫の維持費や人件費などの固定費が発生します。EC物流をアウトソーシングすることで、出荷量に応じた変動費への切り替えが可能です。

そのため、在庫量が減る閑散期にはコストを抑えることができます。また、委託先を経由した輸送サービスでは、配送事業者との特別契約により、自社から配送するよりも配送コストを削減できる場合があります。

ただし、EC物流代行は委託先によって料金体系が異なり、管理や流通加工業務に追加料金が発生するケースもあるため、サービス内容と料金形態を慎重に検討することが大切です。

EC物流代行サービスの注意点

EC物流代行サービスを利用する際の注意点を2つ解説します。

1.自社運営のノウハウが蓄積しづらい

物流業務をすべて外部に任せてしまうと、自社で実務経験を積む機会が減ります。物流のオペレーションや最新技術のトレンドが把握しづらくなるため、将来的に自社で物流を内製化したいと考えている事業者にとっては、必要なノウハウが不足し、スムーズな立ち上げが難しくなる可能性があります。

そのため、業務の進捗や問題点について委託先から定期的にフィードバックを受けて、業務の課題や問題点を客観的に把握することが重要です。

2.情報漏洩のリスクがある

EC物流代行に業務を委託すると、顧客の氏名、住所、連絡先、購入情報などの個人情報を共有する必要があります。そのため、情報管理が適切に行われていないと、情報漏洩のリスクが高まります。

また、十分なセキュリティ対策を講じていない場合も、ハッキングや内部不正による情報漏洩の危険が高まるでしょう。これらのデータが漏洩すると、顧客からの信頼を失うだけでなく、法的な賠償責任が発生することがあるため注意が必要です。

EC物流代行サービスの選び方・比較ポイント3選

EC物流代行サービスを選ぶ際のポイントを3選ご紹介します。以下のポイントを重視して、自社にあった委託先を検討しましょう。

自社が委託したい業務内容と合致しているか

外部に委託する際は、EC物流代行サービスの内容が、自社が委託したい業務内容と合致しているかを基準に選びましょう。物流業務の一部を依頼するのか、受注処理から配送・顧客対応まで包括的なサービスを利用したいのか自社の目的を明確にすることが大切です。

特にEC物流の場合は、流通加工への柔軟な対応も重視すべきポイントです。ギフトラッピングや販促チラシの同梱サービスなど適切な流通加工が施された商品は、顧客の満足度を高め、リピート購入につながる可能性が高まります。

コア業務に集中し、より売上を高めるためにも、このような付加価値サービスが提供できる事業者を選ぶと良いでしょう。

自社に適した価格設定・料金体系か

委託先を選ぶ場合は、自社のEC運営の規模に合った価格設定かどうかも重要なポイントです。例えば、小ロットの発送が多い事業者が定額制のサービスを利用すると、コストがかさむ可能性もあります。

小ロットを扱う事業者は、出荷量に応じて料金が変動する従量課金制を選ぶと、コストパフォーマンスが良いでしょう。ただし、安価な事業者のなかには、管理状態が不適切な場合やサービスの質が低いケースもあります。

そのため、複数社から見積もりを取り、費用対効果をしっかりと比較した上で、品質とコストのバランスが取れた委託先を選ぶことが大切です。

十分なセキュリティ対策を実施しているか

EC物流を委託する際は、十分なセキュリティ対策を実施している事業者を選びましょう。日本産業規格「プライバシーマーク」や国際規格「ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)」の取得状況を確認することで、セキュリティー対策が十分であるかを評価できます。

また、データの暗号化や情報へのアクセス制限、不正アクセスの監視に加え、入退室管理や監視カメラの設置など物理的なセキュリティ対策が整っているかも合わせて確認すると良いでしょう。

EC物流代行サービスを活用すべきタイミング

EC物流代行サービスを利用する際は、導入するタイミングが重要です。以下のような課題が生じたときに、すぐに移行できるよう準備を進めておくと良いでしょう。

  • 出荷件数が増え、発送業務の負担が大きくなったとき
  • 物流業務に時間を取られ、コア業務に集中できなくなったとき
  • 保管スペースが不足し、在庫管理が困難になったとき
  • 事業拡大にともない、物流体制の強化が必要になったとき
  • 繁忙期やキャンペーン対応などで波動が生じ、コストと出荷能力のバランスが課題になっているとき

EC事業の成長を見据え、物流体制を見直したい場合や需要拡大が見込まれる事業者は、各社の料金体系やサービス内容を比較しておくと、自社運営に合った委託先が見つかりやすくなります。また、繁忙期やキャンペーン時にスムーズに対応できるよう、早めにアウトソーシングを進めておくと、機会損失を防ぎ、安定したEC運営が実現できるでしょう。

まとめ:EC物流代行サービスを活用して、物流業務を効率化しよう

EC物流代行サービスを活用することで、物流業務の効率化を実現できます。

【委託できること】

  • 受注管理
  • 入庫・検品
  • 在庫管理
  • ピッキング
  • 流通加工
  • 出荷業務
  • 返品対応

また、在庫スペースやリードタイム・物流採用コストの課題を解決すると同時に、足元の業務負担が減るため、より売上に繋がりやすい業務に集中できるようになります。顧客満足度の向上や売上・LTVの向上も期待できるでしょう。

本記事で紹介した費用相場やサービス内容をしっかりと比較し、自社の成長を支えるためにEC物流のアウトソーシングを上手に活用しましょう。